抄録
本報告は,都市近郊における連続高架橋を計画するにあたり,コンセプトに基づいて景観的観点から設計することの有効性を論じたものである.まず設計にあたり,基本方針となるコンセプト(基本理念・基本設計コンセプト・設計手法コンセプト)を設定し,その方針により施工した路線を対象に,アンケート調査とその分析を行い,基本方針及び基本方針を設計に活かすための表現方法の妥当性,さらに基本方針と実構造物の実現度を評価した.そして,景観的に「良い構造物」とはどのような点に配慮されたものであるかについて考察し,コンセプト先行型景観設計法の有効性を示すとともに,今後の適用にあたっての検討事項を明らかにした.