抄録
PC橋梁上部工で開発が活発に行われている複合構造橋梁の一形式として,上下床版にコンクリート,ウェブに鋼トラスを用いた複合トラス橋がある.複合トラス橋では,異種材料の部材間で力を伝達する接合部の構造性能が非常に重要である.これまでに著者らは,製作性・施工性に優れ,確実な断面力の伝達を可能とする新しい格点構造として鋼製ボックス式格点構造を考案して様々な実験や解析などの検討を行い,国内で最初の複合トラス橋となる木ノ川高架橋と山倉川橋の実現に反映させた.
本論文では,これまでに考案された種々の格点構造を概観して特徴を整理し,その結果を踏まえ,著者らが提案した格点構造の設計体系とその構築にあたって行った実験的・解析的検討結果について述べる.