抄録
島根県東部の耐候性鋼橋梁を対象に,鋼材表面の付着塩類量と表面状態の関係を調査した.Na+とCl-の付着量とさび厚の間には正の相関関係がある.Na+とCl-の付着量が5mg/m2/y以上の部分ではさび厚が400μmを超え,鋼材表面の状態も悪い.こうした地域で耐候性鋼を裸使用すると,充分な耐食性を発揮できない可能性がある.ウェブに比べ下フランジはNa+とCl-の付着量が多く,さびも厚い.このことは,ウェブに付着した塩類が雨水や露のために下フランジへ移動・集積し,下フランジの腐食に関係していることを示している.付着塩類調査からは従来の腐食環境基準である飛来塩分量で評価できない付着塩類の移動の情報が得られることから,腐食環境に関する具体的な手がかりを与えてくれると期待できる.