2007 年 63 巻 2 号 p. 200-211
シールドトンネルにおけるセグメントの施工時荷重に対する設計は,荷重モデルおよび解析モデルが明確に規定されてなく,設計者が施工条件を判断して行っている.一方で,計画の増加が見込まれる大深度トンネルでは施工時荷重がクリティカルになる可能性が高く,施工時荷重に対する設計の必要性が高まっている.
本論文は,大深度トンネルで実施したセグメントの計測結果と施工ステップを模擬した三次元FEM解析とから,セグメントの挙動およびその応力状態に検討を加え,それらの結果から施工時荷重によるセグメントの損傷の原因を推定し,施工時荷重に対する設計の方向性についてまとめたものである.