阪神高速道路は昭和39年に環状線の一部2.3kmを供用して以来,約40年後の今日では総延長233.8kmのネットワークを形成し,1日平均約90万台の利用台数を数える.阪神都市圏を支える最も重要なインフラの一つであるため,その維持管理水準は高いものが求められる.旧阪神高速道路公団では従前より維持管理の合理化に取り組んでおり,一定の成果を上げていたところであるが,平成15年には民営化に向けて管理費について3割縮減と数値目標が示され,さらに,一層の合理化を求められた.本稿では,このような維持管理費の縮減による現状における影響を検証するとともに,中長期的に最適な維持管理計画の策定を支援するために開発した橋梁マネジメントシステム(H-BMS)と,さらに,維持管理業務の継続的改善に資するために開発したロジックモデル(HELM)について述べるものである.