2008 年 64 巻 4 号 p. 463-482
空港施設のアセットマネジメントにおいて,地盤沈下予測は重要な課題となる.設計・施工段階では,地盤条件に多大な不確実性が介在するために,沈下過程を確定的に予測することは困難である.本研究では,不同沈下を考慮した1次元圧密モデルを用いて,地盤沈下過程に関するサンプルパスを作成するとともに,サンプルパスを荷重平均した混合地盤沈下モデルを作成する.空港の供用開始後,地盤沈下量を継続的にモニタリングすることにより,混合地盤沈下モデルをMCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ)法を用いてベイズ更新するハイブリッド型地盤沈下モデルを提案する.最後に,実際の空港舗装を対象とした適用事例を通して,提案手法の妥当性を検証し,地盤沈下予測モデルとしての適用可能性と実用化に向けた課題を明らかにした.