2010 年 66 巻 1 号 p. 85-100
山岳トンネルの沈下対策としてサイドパイルに着目し,その作用メカニズムや適用性を調べることを目的として剛塑性有限要素法による数値解析を実施した.その結果,サイドパイルの作用メカニズムは,トンネルの掘削により生じるすべり線と交差するように打設することにより,すべり線をトンネルから離れた場所に移動させて破壊がトンネル周辺に集中しないようにし,地表面の沈下を減少させるというものであることがわかった.また,サイドパイルが効果を発揮するためにはすべり線と交差するような長さが必要で,トンネルとサイドパイルとを剛結した場合,内部摩擦角の大きい地山である場合,トンネル上部よりトンネル下部に打設した場合に効果が高まることがわかった.