土木学会の安全問題研究委員会では,労働災害に係わる調査研究の一環として,建設業における安全教育の実態を把握すべく,「建設業における安全教育に関するアンケート調査」を実施してきた.
本論文では,ここで取り組んできたアンケート調査の一部,特に「現場での安全教育」に関する質問項目に対する回答をとりまとめた.これらのアンケートの集計結果をとおして,入場時の受入教育および危険予知訓練(KYT)が,現場において特に効果的な安全教育であると考えられていることがわかった.さらに,安全管理の総合対策でも日々の安全教育として効果的であるとされたKYTに焦点をあて,様々な分野でのKYTの取り組みについて取りまとめた.その結果,他分野における先行事例からKYTを継続的に進めていく上で,教材(KYTシート)を工夫し共有できる仕組みが重要であることがわかった.
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