土木学会論文集F
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和文論文
ベンゼン汚染帯水層に対する揚水循環併用バイオスパージング工法の適用と効果の検証
桐山 久高畑 陽大石 雅也有山 元茂今村 聡佐藤 健
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2010 年 66 巻 4 号 p. 612-622

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抄録

 石炭系炭化水素に由来するベンゼン汚染が帯水層まで拡がった石炭ガス製造工場跡地に対して,既存の原位置浄化技術の適用性を評価した.透水性が比較的小さいなどの地盤特性からエアスパージング工法が適していると判断されたが,第二帯水層への適用方法と浄化期間の短縮方法が課題となった.そこで,二層式井戸を用いたエアスパージング工法を採用し,揚水循環併用バイオスパージング工法を当該工法の実施後に適用した.その結果,約2年間で地下水中のベンゼン濃度は環境基準値近くまで低減し,ベンゼン除去率は99.9%以上に達した.実サイトにおける浄化速度を評価して浄化予測手法の検証を行った結果,スパージング風量,通水量と地下水中のベンゼン濃度には相関関係があり,詳細な浄化予測を行うことが可能と判断された.

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© 2010 社団法人 土木学会
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