抄録
軟弱な粘土地盤にPVDを打設して圧密改良を行うと,PVDは沈下に伴って曲がり,曲がりが大きくなると,PVDの通水性能が大きく低下する可能性がある.そこで,高含水比に調整した粘土の真空圧密土槽実験(土槽は直径30 cmあるいは76 cm×長さ5 m)を行い,圧密終了後に PVD の曲がり形状を測定した.次に,PVDの曲がり形状を弾性体内の柱の座屈理論を適用して推定し,実験値と比較した.PVDの通水性能に関しては,遮水シートを巻きつけたPVDを強制的に曲げ,水頭差を与えて曲がり形状と通水量の関係を求めた.最後に,現場でのPVDの曲がり形状を想定し,PVDの曲がりが圧密速度に及ぼす影響について考察した.