2022 年 78 巻 4 号 p. 261-276
地下約40mの硬質地盤中に建設された外径約3.2mの既設シールドトンネルに,新たに外径約13.1mの2本の大断面シールドが上下に併設して近接施工された.光ファイバー方式で計測された既設トンネルの内空変位とFEM解析の結果を比較し,既設トンネルに与える近接の上下併設シールド施工の影響を考察した.また,シールド重量を考慮した一連の施工時荷重を,2次元弾性FEMに逐次入力し検証した結果,既設トンネルの内空変位の計測結果と解析結果は良好な整合性を示した.本研究では,計測結果から得られた知見について述べ,併せてシールド重量を考慮した上下併設シールド施工時の影響予測解析手法を提示した.