土木学会論文集B1(水工学)
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和文論文
結氷河川における解氷現象と実用的な氷板厚計算式の開発
吉川 泰弘渡邊 康玄早川 博平井 康幸
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2012 年 68 巻 1 号 p. 21-34

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抄録
 結氷河川の解氷現象は,水位の急激な上昇を引き起こすアイスジャムの発生の可能性がある.河川結氷時の河道内工事や流量観測を実施する際には,作業計画および安全面から,解氷現象に関する知見および河道内の氷板厚を計算する技術が求められている.結氷河川における解氷現象を解明するために,氷板厚を連続的に測定し,熱フラックスを用いた氷板厚計算モデルを用いて,放射・対流,積雪,流水の3因子が氷板厚の変動に与える影響を評価した.本計算モデルを基にして,積雪と晶氷の影響を係数α,河氷の融解の影響を係数βに織り込み,気温,水温,有効水深から氷板厚を計算する実用的な計算式を開発した.さらに,気温から水温を計算し,有効水深を一定値とすることで,気温データのみから氷板厚を計算可能であることを示した.
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© 2012 公益社団法人 土木学会
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