抄録
一次元計算と同程度の計算負荷で,平面二次元計算と同レベルの計算精度を有することが可能な一次元・平面二次元ハイブリッド型河川流モデルを新たに開発した.本モデルでは,一次元計算と平面二次元計算を併用し,毎ステップでは一次元計算のみを行い,数から数十ステップに一回の割合で平面二次元計算を行うことにより,計算負荷低減と高精度計算を可能とした.本モデルの基本性能を検証するために,本モデルを江戸川の洪水流計算に適用した結果,CPU時間が大幅に削減されると共に,一次元計算と平面二次元計算の計算時間間隔比を100と大きくしても良好な計算精度を維持することが示された.また計算効率性と計算精度の両面から,計算時間間隔比を50程度に設定することが適切であることが示唆された.