土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
和文論文
Xバンド偏波レーダ網を用いた大粒子の上空探知に関する研究
東 俊孝金原 知穂山口 弘誠中北 英一
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2017 年 73 巻 3 号 p. 43-53

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抄録

 自動運転を含む高度道路交通システムの領域では,気象予測に関心が集まっている.とりわけ,局地的豪雨の予測は,移動体の適切な経路選択へ反映できるため,早期に確立すべき技術といえる.そこで,本研究では雨滴粒形分布の推定手法を改良した上で,局地的豪雨の何分前に大粒子を探知できるか検証した.その結果,2DVDデータから算出したレーダ反射因子差に基づく新たな推定手法へ改良した.加えて,XRAINにより3次元観測された偏波パラメータを新たな推定手法へ入力することにより,強雨が地上観測される5分以上前に高度500 mの大粒子の探知に成功した.この結果は,局地的豪雨の前兆現象を早期探知できる可能性を示すものである.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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