アマゾン河支流ウカヤリ川における自由蛇行の数値計算

抄録

　アマゾン河支流ウカヤリ川のような自然状態の河川では，大規模に流路の自由蛇行が発達する現象が数多く確認されている．河川の蛇行現象については，これまで多くの研究がなされているが，川幅500m～1000mに及ぶ河川を対象にその流路変動現象を数値解析から再現した報告は存在しない．本研究では，ウカヤリ川を対象とし，陸地化等を考慮した数値解析モデルを用いてその再現性を確認すると共に，流路変動特性を検討することを目的とした．結果，蛇行流路の平面形状や河床形状，蛇行の前進プロセスに関して実河川に近い挙動を確認することができた．ただし，実河川とモデル計算で蛇行の前進速度が大きく異なる箇所も存在し，これは，自由蛇行の前進速度がSlump Blockモデルに大きく影響を受けていると考えられた．現地の河床，河岸構成材料の精査等，今後の課題である．