2019 年 75 巻 2 号 p. I_1081-I_1086
大規模気候予測情報に基づく適切な浸水リスク推計に向け,雄物川流域を対象として,バイアス補正に用いる観測値の選択および将来海面水温パターンが浸水リスク推計に及ぼす影響を調査した.観測値の選択に関しては,観測期間が異なる2つの観測値を基にバイアス補正を行い,その観測値の差異が洪水氾濫シミュレーション結果に及ぼす影響を推計した.その結果,観測期間の短い観測値を用いた場合には洪水氾濫シミュレーション結果による結果の極端な値が過小評価される傾向が示された.さらに,大規模気候予測情報が有する複数の将来海面水温パターンが洪水氾濫シミュレーション結果に及ぼす影響を推計した.その結果,浸水リスク推計結果は海面水温パターンで明確に異なることが示された.