2019 年 75 巻 2 号 p. I_1267-I_1272
近年,局地的大雨により内水被害が多発しており,詳細な内水氾濫の発生メカニズムの検討が進められている.しかし,内水氾濫のメカニズムおよび内水対策を検討するための下水道内水位の計測は十分に行われていない.本研究では,愛知県春日井市の下水道内に水位計を設置し,下水道内水位を観測した.現地観測により,各地点の降雨と下水道内水位の関係を検討した.実効雨量を用いて,下水道内の水位データとの関係を整理し,実効雨量のピーク値と水位のピーク値に高い相関性があることを示した.また,内水氾濫対策を検討するため,排水施設と貯水槽を考慮した都市浸水の数値解析を行った.観測値と解析値の比較を行い,数値解析モデルの精度を検証し,排水施設と貯水槽の考慮により最大浸水深が低下し,地上の水量が減少することが確認できた.