2019 年 75 巻 2 号 p. I_445-I_450
急流河川では,高速流条件下において反砂堆が三次元化し,水面波が急峻な三角状となる三角状水面波列が発生することが報告されている.この水面波列は橋梁・河川構造物等への影響が懸念されているが,不明な点が多く,特に発生条件については未解明である.三角状水面波列のように大振幅の水面波が発生する現象としては「ソリトン共鳴」が挙げられ,Miles(1977)によると増幅率は最大で4倍にも達することが知られている.そこで本研究では三角状水面波列がソリトン共鳴により生じているのではないかと考え,三角状水面波列に焦点を当てた桟粗度実験を行った.その結果,実験結果と修正されたMilesの理論解がよく一致することを確認し,三角状水面波列はソリトン共鳴により発生することを見出した.