2019 年 75 巻 2 号 p. I_775-I_780
国の特別天然記念物に指定されている「阿寒湖のマリモ」は湖内環境の変化によって減少傾向にあり,対策が求められているが,現時点ではマリモの挙動に関して十分な知見は得られていない. また,自身の回転や強風時の湖岸への打ち上げもマリモの成長サイクルの一部であるが,回転角度やどの程度の流速でマリモが移動するのかは未解明である.そこで本論文では,液相にオブジェクト指向型流体解析モデルであるFantomを, 固相計算にDistinct Element Methodを用いたモデルの改良とともに,本モデルを用いたマリモの限界移動速度,回転角度に関する推定を行った.その結果モデルの再現性を向上させることができ,限界移動速度にはマリモの半径,密度,配置が影響を及ぼす可能性が確認できた.風波によるマリモの回転角度計算については不規則波の影響を考慮する必要性が示された.