2022 年 78 巻 2 号 p. I_1219-I_1224
近年,局地的集中豪雨において河川堤防の決壊が報告されており,堤内地に甚大な被害をもたらしている.こうした被害を軽減するためには,堤防を乗り越えた表面流がどのように流下し,堤防を侵食していくかについて理解を深めるとともに,構造上弱いところに対策を検討することが重要である.本研究では,表面流と浸透流を同時に予測できる流れの3次元モデルと河床近傍での水圧変化に伴う土砂輸送特性を考慮した平衡流砂モデルを用いて堤防の越流侵食に関する再現解析を行った.その結果,圧力の影響を考慮することで,考慮しない場合に比べて裏法尻での侵食を示すことができた.