2022 年 78 巻 2 号 p. I_475-I_480
水文頻度解析では,ピーク流量や降雨継続時間内の雨量の年最大値資料を頻度解析することが一般的である.年最大値資料の解析に用いる一般極値分布の形状母数は確率密度関数の上側の裾の厚さに関係している.流域のある地点のピーク流量とその地点上流の流域平均雨量は密接な関係があり,ピーク流量の確率水文量と適切な降雨継続時間内の流域平均雨量の確率水文量を用いて流出計算により求めた流量ハイドログラフのピーク値は同等であると思われているが,実際にはかなり異なる場合が多い.本論文はこの原因について述べたものであり,治水計画に確率水文量を用いる場合の留意点も指摘する.