2022 年 78 巻 2 号 p. I_709-I_714
本研究では,高層建物が密集した地域を対象とした地表面粗度モデルの修正方法を提案する.都市地表面の空力抵抗について,領域平均的な建物幾何パラメータで表現されたモデリングがなされており,その中で平均建物高さが主要なパラメータとして用いられている.高層建物が高密度に分布するような場合,建物高さの下方部分が空力抵抗としてほとんど働かないため,建物高さをそのまま用いて規格化された空力粗度モデルは実際の粗度長を過大評価する傾向にある.そこで高密度粗度群の下側の冗長な部分を底上げすることで,既存の空力モデルを修正する方法を提案する.LESで計算された東京23区100地点の粗度データベースに加え,高密度粗度群の極値を与えるような2次元粗度要素群のデータを参照して修正案を提案し,モデルの修正を試みた.