抄録
土木遺産利活用には,所管主体による運用が必然である.基礎自治体は,所管主体である場合が多く,その役割は大きい.鉄道土木遺産は多くの場合,鉄道跡地とともに基礎自治体に移管されてきた.つまり基礎自治体は,鉄道という用途を失った構造物の管理を引き受けることとなる.ところが新たな用途を得られず,機能を失ったまま放置された鉄道土木遺産は,なお存在している.
本研究は,鉄道土木遺産利活用に向けた基礎自治体の役割について考察するものである.鉄道土木遺産の運用は,地域住民による利活用の前提である.本研究は基礎自治体の行政運営の特性である計画行政に着目する.基礎自治体による土木遺産運用の視点から,鉄道土木遺産利活用方法の一般化に向けた考察を行うことを目的とし,研究の遅れている本分野の研究の端緒とする.