土木学会論文集D2(土木史)
Online ISSN : 2185-6532
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和文論文
  • 西村 勝広
    2018 年 74 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル 認証あり
     古墳は古代の土木構造物である.近年,土木考古学という分野が提唱され,考古学のみではなく土木学的な研究の必要性が説かれている.本稿は,地方に所在する古墳時代前期の坊の塚古墳と後期の北山古墳群を事例に取り上げ,築造工法の合理性と変化について土木史の観点から論考した.
     坊の塚古墳では,自然地形を合理的に利用した築造の可能性を考察した.また,墳丘と周壕をモデル化して,墳丘の盛土が周壕の掘削土によって合理的に賄われることを試論した.北山2号墳では,山麓部の傾斜面に墳丘を構築する場合の合理的な工程を,発掘調査から得られた平面図と土層断面図に基づいて復元した.
     これら築造時期の異なる古墳の合理性を比較し,古墳時代後期では工程の省力化が目立つことを示し,社会情勢の変化による古墳の普及と結び付けた.
  • 岩本 一将, 山口 敬太, 川崎 雅史
    2018 年 74 巻 1 号 p. 29-41
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/20
    ジャーナル 認証あり
     本研究は,近代の和歌山において,どのような関係主体と経緯によって電気軌道や水力発電といった近代化を象徴するインフラ整備が実現し,同時に公益を確保したのかを明らかにした.明治30年代の和歌山では,南海鉄道と和歌山水電が共に日高川へ水力発電事業の出願を行い,事業実施の権利を巡る確執が生じた.これに際して,事業認可の実質的な裁量を持つ県知事は,市長と共に仲裁に取り組み,和歌山水電に対して水力発電事業と市内の電気軌道敷設の認可を与える.その後,和歌山水電によって安価な電灯電力が和歌山県内に供給され,また和歌山市内外を繋ぐ交通インフラが整備された.この背景には,市長と県知事が事業実施の権利を和歌山水電へ認可することで,地元実業家らの持続的な経営による公益確保を目的としたインフラ整備が考えられていた.
和文ノート
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