土木学会論文集D2(土木史)
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和文論文
神奈川における駅路に関する一考察
小方 武雄
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2013 年 69 巻 1 号 p. 61-71

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抄録

 7世紀後半~11世紀初頭にかけて,律令体制の整備に伴い駅伝制が行われ,駅路が全国展開することとなる.神奈川の地においても,駅路が整備されたが,具体的に何処を通っていたかについては従来様々な説がある.今回はそれらの視点に加え,古墳や地域の豪族,「延喜式」に掲載された式内社,直線道路のさらなる活用などの視点を加えて検討を行い,各時代における駅路のルートを求めた.ルートの検討に当たっては明治迅速図を使用したが,この地図には等高線が細かく入っているので縦断の比較も行うことが出来た.さらに,駅家の位置についても比定を行い,駅家間の距離について調査を行ってその妥当性について検討を行った.他の府県において,駅路のルートがはっきりしていないものがある場合には,今回のような視点が参考になればと思う.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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