抄録
本研究は日本統治時代台湾の花蓮港で実施された築港事業の概要と意義を明らかにするものである.花蓮港築港事業は,台湾では基隆港・高雄港に次いで3番目に実施された近代港湾建設であった.また花蓮港は地理的要因により,日本で初めての近代的掘込式港湾として竣工した.しかしこの点は従来の研究で指摘されていない.以上の点を明らかにするため本研究では掘込式港湾の特徴と日本内外の建設事例と花蓮港築港計画及び工事内容の比較分析を行う.さらに掘込式工事が採用された背景について,同港の地理的要因と築港事業に先立って実施された同港港湾調査の報告書分析を通して解明することを試みる.