2011 年 67 巻 3 号 p. 195-202
日本の道路交通は,本来その道路に求められるはずのトラフィック機能やアクセス機能に対応した望ましい性能が十分発揮できるようには必ずしも計画・設計されているとはいえず,道路構造や交通運用の上で,多くの改善の余地が残されている.コストを抑え,かつその道路に必要な機能に応じた性能を十分に発揮させるよう,交通の質を改善可能なコスト・パフォーマンスの高い道路として改良を施し,再編していくことが必要である.これらに対処するためには,従来の手法では限界があり,機能に対応した性能を実現するために必要な道路構造と交通運用の組合せを柔軟に採用する,性能照査型道路計画設計手法の導入が必要だと考えられる.本稿では,「性能照査型道路計画設計」の特集にあたって,その考え方の概要と関連する技術的検討課題,ならびに特集号の構成について述べる.