土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第28巻(特集)
主観的な指標による交通環境変化計測の可能性-中山間地にある2つの集落の比較を通じて-
佐々木 邦明西山 明博
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_189-67_I_195

詳細
抄録

本研究は,交通環境の変化を個人の主観的指標によって計測可能であるかを実証するものである.今回は中山間地に位置する2つの集落を対象に2009年に意識調査を含む生活意識調査を行い,その約2年後に再度同様の生活意識調査を行った.この2年間で,一つの集落ではデマンドバスの走行が開始され,他方は食料品店が閉店するなどの生活・交通環境等の変化があった.結果からはデマンドバスが走行を始めた集落では有意に主観的な生活満足度が向上した.また,個人の交通環境により主観的評価である移動手段に対する不満や,生活行動の断念が多くなる傾向も明らかになった.ただし生活満足度は個人の変化による影響が小さいことも示され,生活満足度は個人の変化による影響の小さな評価指標として活用できる可能性が示された.

著者関連情報
© 2011 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top