土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第28巻(特集)
世帯及び個人属性分布を考慮したPT調査データの拡大係数算出手法の適用
倉内 慎也萩尾 龍彦石村 龍則吉井 稔雄
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2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_759-67_I_767

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抄録

本研究では,マイクロシミュレーションモデルの初期データに用いられる母集団の同時分布を生成するために,世帯および個人属性分布の双方を考慮した上で母集団の周辺分布に一致させるIPU法を,松山都市圏PT調査に適用し,その現況再現性を検証した.分析の結果,誤差の原因として,制約式の問題,解探索の問題,ゼロセル問題の3つが抽出され,さらに,それらが混在することで一層推計精度の低下に繋がることを確認した.次に,ゾーンや個人・世帯カテゴリを統合することにより,母集団データの再現性がどのように変化するのかを検証した.その結果,統合による情報損失の影響が大きく,かえって現況再現性が低下することを確認した.ゆえに,IPU法の適用にあたっては,カテゴリごとに抽出率を変化させるなどの事前検討が極めて重要であると言えよう.

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© 2011 公益社団法人 土木学会
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