2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_879-67_I_886
東京圏の都市鉄道はピーク時に慢性的な遅延が顕在化し,相互直通整備による路線の長大化がその問題を深刻化させている.本研究では列車遅延の発生要因を検討した上でATC信号制御に基づく運行ルールや乗降客の行動ルールをエージェントモデルに反映し,列車の遅延時間を再現することを試みる.
東急田園都市線を対象に平日5日間の実際の遅延時間データと乗客のホームでの乗車時,降車時の旅客行動の位置座標データを取得して,駅間の走行時間を再現するモデルと駅での乗降時間を再現するモデルを開発し,遅延が波及する状況を再現した.