2012 年 68 巻 5 号 p. I_1035-I_1044
本研究の対象地域である,北海道東部地域(以下,道東地域とする)において,オホーツクEV推進協議会が主体となり,2度のEVモニタ実験が実施された.そして,EV利用促進のためのインフラ整備・運用の可能性検証と,今後の運用に向けた対応方針の検討が行われ,今後は,広域的な観光周遊行動に対応する充電施設配置の検討が重要な課題であることが明らかとなった.本研究では,EVの航続可能範囲を視覚化するとともに,観光客の行動パターンに基づく充電需要を分析することで,道東地域の観光流動に対応する充電施設配置について検討した.結果,EVユーザーが電欠を生じることのない,最低限の密度での急速充電施設配置,および急速充電施設密度を高める上での充電施設候補地の設置優先順位を明らかにした.