2012 年 68 巻 5 号 p. I_1253-I_1259
ラウンドアバウトは,安全でエコな平面交差部の制御方式として注目されており,日本でも実用展開に向けた動きが高まりつつある.ラウンドアバウトは,交差点進入時に必ずしも停止を必要としないため,アイドリング時や発進時の燃料消費が抑えられると考えられる.しかしラウンドアバウトの実地導入経験が少ない我が国では,ラウンドアバウト走行時の環境負荷量を推定し,信号交差点などと比較を行った研究成果は報告されていない.
本稿は,実信号交差点および模擬ラウンドアバウトにおいて行われたプローブ走行調査結果から,それぞれのCO2排出量を推定し比較を行ったものである.その結果,ラウンドアバウトでは急な発進が少なく,停止時間も短いことから,信号交差点と比較してCO2排出量が抑えられることが明らかとなった.