2012 年 68 巻 5 号 p. I_1287-I_1296
本研究は,異なる複数の動線データ(普通自動車のプローブデータ,バスICカードデータ)を組み合わせたバス停留所付近の走行改善の検討支援策を考案し,さいたま市の全バス停留所を対象に同支援策を適用して有用性を検証した.
具体的には,さいたま市内のバスICカード導入済みの全バス停留所を対象に,バスICカードデータより収集されるバス停留所の乗車人員に基づき利用者数の多いバス停留所30箇所を抽出した.この30箇所を対象に,バスICカードデータから推計したバスの走行速度などの実態および普通自動車のプローブデータから推計した走行速度などの実態を整理した.これらに基づき,バスおよび普通自動車の旅行速度を組み合わせたバス停留所付近の走行阻害要因を数値化し,改善が必要なバス停留所の候補を明らかにした.