2012 年 68 巻 5 号 p. I_35-I_43
幼い頃からの安全教育は生涯にわたり安全意識を身に付けさせ,非常時に対応行動を実践させるように仕向けるものである.しかしながら,教育方法や教材の不十分によりこうした教育が小中学校で十分に実施されているとは必ずしもいえない.本研究では,東京都内公立中学校の教師と生徒の協力を得て,中学校のインターネット安全教育に参加型学習を導入し,動画教材による足場がけの効果を検証した.検証によって,動画教材の活用は,インターネット上の安全に対するプリペアドネスを高めるための足場がけに寄与し,将来の安全教育への参加意識も高める可能性が示唆された.