2015 年 71 巻 5 号 p. I_1035-I_1046
本研究では,吹雪時に移動気象観測車を走行させて視程などの気象データと走行速度などの運転挙動データを取得し,冬期道路の吹雪危険箇所の評価方法を検討した.さらに吹雪時の視程障害に影響を及ぼす沿道環境条件について分析を行った.
その結果,吹雪時の運転への影響は瞬間的な視程でなく評価延長50mの平均視程の変化に応じて生じ,吹雪危険箇所の評価には平均視程を指標とすることが適切であることを明らかとした.平均視程が200m未満でブレーキ操作による走行速度の低下が生じ,100m未満ではハンドル操舵角の標準偏差が大きくなることを明らかとした.また風上の平坦地が長いほど,道路構造が切土に比べ盛土で視程障害が発生することを定量的に示したほか,橋梁端部,防雪柵の端部と開口部周辺で平均視程が低下する事例を確認した.