抄録
わが国においては,少子高齢化・人口減少や経済活動の減退により,家庭排水や工場排水量の減少が進み,下水道事業における汚水関連施設の処理能力に余剰が生じつつある.その一方で集中豪雨による内水氾濫の頻発といった自然災害に関するリスクが増加しているが,下水道事業における雨水排水対策は一向に進んでおらず処理能力が不足している.
本研究では下水道システムにおける地下空間の有効活用を目指すべく,雨水を汚水関連施設へ流入させる方策についての提案を行うとともに,ハイブリッドな下水道システムの構築と運用,防災面・環境面の効果について概説するとともに,内水氾濫軽減効果について定量的評価を行った.そして,河川改修や雨水貯留事業といった従来の施策と比較した結果,有効かつ即効性の高い施策であることを明らかにした.