土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第32巻(特集)
速度選択モデルを用いた生活道路ISAによるドライバーの負担および事故減少便益の推計
松尾 幸二郎廣畠 康裕
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2015 年 71 巻 5 号 p. I_991-I_1000

詳細
抄録

欧州を中心に注目されているIntelligent Speed Adaptation (ISA)は,我が国における交通静穏化のための抜本的なツールになる可能性を有している.本研究ではまず,ドライバーの主観的な安全性と利便性を考慮した走行速度選択モデルを構築し,車両走行実験データを用いたモデルパラメータの推定を行った.続いて,仮想的な生活道路区間を想定した上で,速度選択モデルおよび歩行者飛び出し事故危険性評価モデルに基づき,強制型ISAによるドライバーの負担および死亡事故減少便益を推計し,比較を行った.その結果,現況において,1km当りで2年に1件以上歩行者の飛び出しによる事故が生じている場合には,上限速度30km/hの強制型ISAによる便益がドライバーの総負担額を上回ることが示された.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top