抄録
現在,交通事故リスクとして交通事故件数を走行台キロで除することにより基準化した「事故率」が一般的に用いられている.同指標は,高速道路などアクセスコントロールされた道路では適切な指標であると考えられるが,一般道路すなわち交差点によるアクセスが可能な道路では,交差点通過に起因する事故が多数発生していることから,事故率よりも交差点通過回数を用いて基準化した指標の方がより適切であると考えられる.そこで,より適切に一般道路での事故の起こりやすさを示す指標を考案することを目的に,走行台キロならびに交差点通過回数が交通事故発生件数に与える影響の度合いを比較分析する.分析の結果,車両相互事故・人対車両の事故では,交差点通過回数の影響が強く,一方の車両単独事故では走行台キロによる影響が強いとの結果が得られた.