抄録
本研究では,新潟県三条市で導入されている乗合タクシー「ひめさゆり」を対象として,知らない人との相乗り行為に対する利用者の意識を明らかにするために利用者実態調査を実施した.調査の結果,知らない人同士で相乗りをすること自体に抵抗がある利用者は少ないが,異性との相乗りや,予約した時刻にズレが生じることには抵抗があることがわかった.相乗りの可否を外的基準とし,数量化2類を用いて分析した結果,現在の運賃に不満がある利用者や通院目的の利用者は相乗りに肯定的であった.また,知らない人との相乗りサービスに関する支払意思額を,コンジョイント分析を用いて算出した結果,同乗する利用者の性別の重要度が男性と女性では大きく異なることが明らかになった.