抄録
路線バスは,道路混雑の影響を受けダイヤ通りの運行が難しい.旅行時間信頼性評価の研究は,道路交通において多く行われているが,公共交通を対象とした研究は少ない.また,旅行時間信頼性評価は多くの研究で平均分散アプローチにより分析が行われているが,同じ平均,分散でも分布形状が異なることが考えられる.
本研究ではこの現状を踏まえ,路線バスのダイヤからの遅延時間変動の分布形に着目して時間信頼性評価を行う.路線バスの実績所要時間データから遅延時間変動の分布形が多様であることを示し,独自に実施したアンケート調査から得られた選好意識データを用いて遅延時間分布に関するSPモデルを構築するとともに,交通手段選択に関する利用者行動のデータからRPモデル構築し,遅延時間分布の形状の時間信頼性評価への影響を検証した.