2016 年 72 巻 5 号 p. I_821-I_832
本研究では,新たな航空ネットワーク分析手法を作成し,アフリカでの航空ネットワークの効率改善可能性を分析した.その結果,搭乗率向上,運賃低下,待ち時間短縮を図りうることが示された.改善ネットワークでは,路線数は減少する一方,総便数が増加している.また,長距離路線は集約され多頻度の短距離路線と接続するハブ&スポーク型に近い形状が得られた.特に,北アフリカの都市を欧州とアフリカを結ぶハブとして位置づけることで,ネットワーク効率が高まる可能性が示された.2030年を想定した需要増加ケースでは,長距離ダイレクト路線の採算性が向上し,その結果,アフリカ域内の乗り継ぎ需要を減少させ,アフリカの都市はハブとしての順位を下げる一方,ロンドン,パリ等の欧州での乗り継ぎ需要を増加させると推計された.