抄録
居住地から幹線道路へのアクセス道である生活道路は,一般に幅員が狭く,無信号交差点が多い等の特徴の為,交通事故の危険性が高いと推察される.しかし,車両感知器未設置区間が多く交通量の把握が困難であり,交通事故リスクの把握が容易ではなかった.一方,近年はプローブ技術の進展により生活道路における車両走行の実態把握が可能となった.そこで本研究では,ETC2.0搭載車両から得られる走行履歴を活用し,生活道路における交通事故リスクの算定と要因分析手法の構築を行なう.愛媛県松山市中心部を対象に500m四方メッシュ単位で,生活道路事故リスクの算出と,重回帰モデルによる事故リスク要因分析を行った結果,幹線道路付近や事業所数の多い地域,学生や生産年齢人口の多く居住する地域において事故リスクが高まる傾向が明らかになった.