2018 年 74 巻 5 号 p. I_1411-I_1418
高速道路における渋滞現象は,その発生メカニズムや確率的特性,発生前後での交通容量の相違など,数多くの知見が蓄積されつつある.しかしながら,車線減区間のような車線利用特性の影響が大きい区間では,交通容量の低下は明らかであるものの未だ不明確な点が多く,詳細な分析が必要である.そこで本論文では,絞り込み形態が異なる複数の車線減区間を対象に,渋滞発生前後のメカニズムについて分析を行った.その中で,渋滞発生確率曲線の推定を行い,車線利用特性を踏まえた考察を行ったところ,渋滞発生確率は絞り込み車線が第一,登坂,合流車線の順に高くなることがわかった.要因として,第一車線の場合は渋滞発生前の車線利用の偏りが小さいこと,合流車線の場合は左からの追越が発生しているなど,車線利用特性の影響が大きいことを示した.