土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第35巻(特集)
大規模小売店舗の立地に係る交通流動予測の運用課題に関する研究
田部井 優也長田 哲平大森 宣暁
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2018 年 74 巻 5 号 p. I_537-I_546

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抄録

大規模小売店舗の立地に起因する渋滞が大きな問題となっており,店舗立地に係る交通流動予測を強化する検討がなされている.一方で,大店立地法の運用主体となる各自治体では,地域の実情に鑑みた地域の基準を定めている.本研究は,この地域の基準のうち,交通流動予測についての地域の基準設定状況を4分類し,分類ごとの店舗新設数について分析を行った.その結果,動的手法の実施について明確に定めている自治体は,店舗面積10,000m2を超える店舗の新設が全国平均に比べ少ない傾向にあることを示した.また早期より動的手法の実施条件を明確化している栃木県での実施例から,現在行われている動的手法を用いた交通流動予測では複数の問題を抱えており,動的手法の実施だけでは渋滞の発生を回避できない可能性があることを実態より明らかにした.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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