2018 年 74 巻 5 号 p. I_605-I_611
新潟駅南口中央広場と姫路駅北にぎわい交流広場を例として,構想・計画から維持管理にいたる市民参加のプロセスを整理した上で,公共性が醸成されるプロセスを比較分析した.新潟駅南口中央広場では,構想・計画段階から市が積極的に市民参加を導入し,事業の公共性・空間の公共性を高めることができたが,維持管理段階では継続的な官民連携に課題を残すこととなった.姫路駅北にぎわい交流広場では,市の計画素案に対する反対運動という形で市民参加が始まったが,市民による主体的なワークショップ・勉強会と行政主催の会議を通じて官民が意識の共有を図りながら空間の公共性を高めるとともに,計画段階から中間支援を行ってきた地元まちづくり組織が広場の運営を担うことで,市民による積極的な利活用を実現し,場所の公共性を高めることができた.