抄録
地方都市圏では20年以上パーソントリップ調査(PT調査)等が実施できていない都市圏がある.本研究では,大規模で費用がかかるPT調査の実態調査を行わず,既存データを活用して全国の地方都市においてPT調査と同等のOD表を推計する手法として,国が5年毎に実施している全国都市交通特性調査(全国PT調査)の都市規模別セグメントデータを用いた発生・分布・帰宅・分担モデルでOD表を推計したうえで,携帯電話基地局データの観測OD交通量を用いて補正を行う実務的な推計手法を開発した.ケーススタディとして高崎市において推計手法を適用してOD推計を行い,実際のPT調査との比較を行った結果,目的別OD表の再現性と立地適正化計画の施策評価の感度が確認でき,OD推計手法の実用可能性を示すことができた.