2020 年 75 巻 6 号 p. I_565-I_574
本研究は,都市部での自動運転車の導入時に増加が予想される道路上での乗降に着目し,路肩空間の整備形態が道路交通環境へ与える影響について定量的に把握した.分析では,第4種第1級・第2級道路を対象に,駐車頻度や路肩空間の形態を変化させて単路部での交通シミュレーションを行い,旅行速度や遅延時間を評価指標とした.結果より,停車帯のない路上駐車型は,高い駐車頻度の場合に大幅な旅行速度の低下と遅延時間の増大を引き起こすことを確認した.また停車帯を設けた場合においても,乗降可能な区間が長いほど減速機会が生じやすくなることから,乗降場を限定して道路上での乗降を抑制していくことが,都市部での自動運転車の導入の際に重要となることを明らかにした.