2020 年 75 巻 6 号 p. I_637-I_646
近年,走光型視線誘導灯(PML)の運用による渋滞軽減効果が報告されつつあるが,その詳細なメカニズムは把握されておらず,PMLが追従車両に与える影響は不明確な点が多い.本研究ではPMLが設置された阪神高速神戸線深江サグを対象に実道追従走行実験を行った.得られたデータからPMLの運用条件別による相対速度変動に関する定量分析を行った上で,実際の相対速度とドライバーが認知する相対速度の乖離を考慮した追従挙動モデルを構築し,パラメータを推定した.その結果,定量分析からはPMLがドライバー全体の追従挙動の均一化に寄与すること,追従挙動モデルによる分析からはPMLの運用により相対速度変化の認知感度が高まること,さらにそれに基づくシミュレーション分析により追従車両群の対象区間の通過時間がやや短縮することが確認された.