2022 年 77 巻 5 号 p. I_1037-I_1043
これまでにラウンドアバウトが導入された箇所では,導入前の交差点と比較して車両の走行速度抑制や,事故件数減少などの効果が報告されている.しかし導入後一定期間が経過すると,ドライバーがラウンドアバウトの通行に慣れてくることも想定されるため,導入後の走行挙動の変化をモニタリングすることが重要である.本研究では,2014年に供用が開始した静岡県焼津市の山の手環状交差点において,導入から約22か月後の2015年,約28か月後の2016年,約55か月後の2018年にドローンで撮影された映像から,速度・加速度・走行位置などの走行挙動の経年的な変化を調査した.その結果,流入部手前では速度が上昇している一方,環道内や流出部の速度はそれほど変化しておらず,ラウンドアバウトの速度抑止効果が継続していることが明らかとなった.