土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第39巻(特集)
屋根損傷率自動算出手法を用いた被害認定調査の迅速化と正確化
藤田 翔乃畑山 満則
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 77 巻 5 号 p. I_57-I_68

詳細
抄録

災害時,自治体は被害認定調査を行い被災者に罹災証明書を交付する.罹災証明書は支援策の判断材料として活用されるため,自治体は迅速かつ正確に発行しなければならない.しかし,過去の地震災害では被害認定調査に多くの時間を要しており,円滑な被災者支援を妨げていた.加えて現在の屋根調査では,屋根全てを見渡すことができず正確に屋根調査を行えていない.そこで本研究は被害認定調査の迅速化と正確化を目的として,航空写真から画像認識を用いて,屋根の損傷率を自動で算出するシステムを開発した.このシステムの推測結果を危機管理課の職員に評価を行ってもらい有効性の確認をした.その結果,80.00%の屋根画像データが地上から調査した場合以上の精度であり,今後は責任を確保できるようなシステムの利用方法が必要であることがわかった.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top